01 女子高生




 

俊が働くコンビニには女子校が近くにあるといくこともあって女子高校生がよく買い物に立ち寄る。
今日もいつものように女子高生が店にきて、アイドル雑誌を片っ端から立ち読みしていた。
「やっぱり、かっこいいよね〜。最高!!」
「ホントホント。昨日のSステーション見た?ケイゴの新曲かっこよかったよね〜」
二人の女生徒が黄色い声を上げて騒いでいる。
俊はその後ろで商品の入れ替えをしていた。
(・・・うっせえな〜、黙って読めねえのか、お前等は。)
キンキンした声に俊はうんざりしながら、横目で女生徒と雑誌を見比べていた。
(ん?筒井じゃねえか。へえ、人気あるんだな)
と多少関心した。
「よし、これ買お。ケイゴのアップ載ってるし♪すみませ〜ん」
「・・・はい」
女子高生はお金を払って出て行った。
「筒井か・・・しばらく会ってねねえな・・・」
 
俊はバイトが終わってアパートに帰りながら、ふと考えていた。
(そういや、江藤のやつはあんまりアイドルとかを見て、キャーキャー言わねえな。あいつも一応女子高生だろ?魔界人はあんまりああいうのに興味がないとか?いや、でも以前、江藤んちで魔界人の学校やってたときは魔界人もアイドル見て騒いでたよな。あいつはあんまり興味ないのか・・・)
(でも筒井は江藤を好きだったんだろ?そういうのでも心ってのは動かねえものなのかな。さっきの女たちなら卒倒するな)
アパートにつくといいにおいがドアの前までにおってきていた。
ガチャ。
「あっ、おかえりなさ〜い」
蘭世がいつものようにご飯を作りにきていた。
「今日はビーフシチューで〜っす」
「おお、サンキュ」
「座ってて。すぐ食べれるから」
 
蘭世は食事をしながら今日一日の話を永遠と語っていた。
「それでね、アロンったら・・・」
俊は相づちを打ちながら聞きながらも、今日の女子高生のことを思い出していた。
「・・・ん?真壁君どうかした?」
蘭世は考え事をしてそうな俊に尋ねた。
「え?あっ、いや。・・・お前ってさ、好きなアイドルとかいねえの?」
ちょびっとだけ聞いてみる。
「あいどるぅ??ん〜???好きな曲とかならあるけど、あいどるねえ。。。考えたことなかったな」
う〜んと腕を組みながら蘭世は悩み出した。
プッと吹き出しながら俊は言った。
「そんな悩むことはねえんだよ。ほら、お前ってあんまりアイドルみて騒いだりしねえだろ?今日コンビニで女子高生が筒井の写真見て騒いでたからさ、お前はどうなんだろなってちょっと思っただけで・・・」
と言って蘭世をみると蘭世はなにやら目を潤ませて俊を見ていた。
「な、なんだよ」
「真壁君が私のことをそんな風に気にかけてくれるなんて・・・・そんな珍しいこと・・・なんだか、うれしいよ〜〜」
大泣き寸前である。
「な、なんで、泣くんだよ。」
(よっぽど、俺がお前を気にかけてねえみたいじゃねえか。)
「だって〜〜」
「いや、ほら、筒井ってお前のこと好きだっただろ?あの女子高生がお前の立場だったら卒倒すんじゃねえの?」
「筒井君はいい人だけど、私には真壁君がいるもん♪そうよ。真壁君が私のアイドルね。真壁君が有名になったら、私は一番のファンになるわ。誰にもまけないもん。」
っと言って蘭世はにっこり笑った。
「ファンねえ・・・」
(俺にとってはお前はファンの域を超えてるだろうがな・・・)
漠然と考えながら、ふっと笑って、俊は蘭世の肩に手を回した。
「お前に勝つやつがいるなら見てみたいよ、まっ、絶対いないだろうけどな」
と軽く蘭世に口づけをした。

 


あとがき
蘭世のアイドル話って原作でも出てきませんよね。
私はあちこちに好きなタレントがいるフトドキ者?なので
一筋な蘭世を見習わなくては。^^