033 十字架
久しぶりに二人っきりのデート。
蘭世と俊はウインドーショッピングを楽しんでいた。

「わっ、きれいなペンダントがいっぱい〜。すてき。」
「・・・好きな物あれば言えよ。今月結構金持ち♪たまには買ってやるぜ」
「ほんと〜?うれしい!じゃあね〜・・・・」
蘭世は食い入るようにいろんなペンダントとにらめっこを始めた。
俊も何げにペンダントを見ていたが、ふと1つのペンダントが目に入った。
「お前ってさー、一応吸血鬼なんだろ?こんな間近で十字架見て何ともおもわねえの?」
「え?」
きょとんとして蘭世は俊を見ている。
「う〜ん、そういえばなんでだろうね」
「親父さんは確かだめだったよな。十字架」
「うん。でも最近は平気みたいよ。鈴世も私もミッション系の高校だし」
なははと蘭世は笑う。
「まっ、お前の弱点は数学とタマネギだっけ?」
「むっ!ど、どうせそうですよ〜だ。・・・あっでも真壁くんって弱点ない?」
「俺?」
「う〜ん、王家だから不死身だし〜、種族とかもないし〜、なんでもよく食べるし〜・・・弱点がないなんてかわいげがない!」
ぷっと蘭世はふくれた。
「俺には弱点なんてねえよ。」勝ち誇った顔で俊は言う。
「いや、絶対一つくらいあるはず!」
う〜ん、真壁くんの弱点ねぇ・・・と絶対探しますと言わんばかりに腕を組みながら蘭世は真剣に思案しだした。

(俺の弱点ねえ・・・)
そう考えて、チラッと蘭世を見た。
(そんなものねえけど、こいつのことになると俺は力をコントロールできなくなる・・・か)
当の蘭世はまだ腕を組んだまま考え中である。
「・・・まっ、あったとしてもお前には絶対わかんねえだろうな。(鈍いから)」
「え〜、何よ〜。あるの?教えてよ!」
「絶対言わない」
「何でよー」
(言ってたまるか、弱点はお前だなんて・・・)
「せいぜいじっくり考えな!」
にやりとして俊はスタスタ歩いていった。




あとがき

本当はこのタイトルは「弱点」だな。絶対!(笑)
でもまた得意の無理矢理こじつけで題は「十字架」です(爆)。
十字架なんか俊の視界にちょっと入ったっていうだけの出番しかないのに・・・(^^;)
まあいいです。
真壁くんの弱点は私も思いつかない。。。なんだろな。人前に無理矢理だされるとか?(笑)
でもやっぱり蘭世が危険な目になると慌ててますよね。
てことで弱点は蘭世にしてみたのですけど・・・。
俊の弱点はこれだ!っていうのがありましたら、教えてくださいませ。