055 枝毛
俊が風呂から上がって出てきたとき、蘭世は自分の長い黒髪の先をじっと見つめていた。
「何やってんだ?」
俊が声をかける。
「あ、真壁くん。じばらく美容院に行かないとほら・・・枝毛・・・」
そういって蘭世は自分の毛先を俊に向かう。
フローラルな香りが俊をドギマギさせる。
得意のポーカーフェイスも思わず崩れそうになる。
それをかくすために俊は敢えて横向く。そして憎まれ口・・・。
「お前も美容院行くのか?のばしっぱなしかと思ってたぜ」
「ひっどーい。ちゃーんと行きますー。毛先そろえるだけだけど・・・」
「ふ〜ん、なるほど。どうりでいつもピシっとそろってるわけだ」
「ピシしっとって・・・。・・・変?」
蘭世は少し自信なさげに俊に聞く。
(いや、俺はお前の髪がどうであろうと、お前はお前だから・・・)
心の中で俊はいいわけをする。口に出せればお互いもっとわかりあえるのだろうが、俊にはできない。
(こういうこと言えればなあ、こいつ喜ぶだろうにな・・・)
分かっていても口に出せない俊はそんな自分に少しいらだちすら覚える。

俊は蘭世を見つめる。そして長い黒髪を手ですくって軽くキスをした。
「ほら。治っただろ?」
蘭世の毛先の枝毛は元通りになってさらにつやを帯びた。
「あ・・・ありがと///」
(真壁くんが、私の髪にキスしてくれるなんて。。。うれしい・・・)
顔を赤くして蘭世は答えた。
「枝毛切るくらいなら美容院いくまでもねえだろ。そのくらいなら、これからは俺が治してやるよ。切ってはやれえねえけどな・・・」
俊は笑いながら言ってもう一度蘭世の髪を手櫛ですいた。
はらりと黒髪が揺れる。
フリーラルの香りがもう一度俊の鼻をくすぐった。
思わず俊が蘭世を抱きしめる。
蘭世もそっと俊に身を任せる。
黒髪をなでて俊は心の中でつぶやく。
(きれいな髪。。。俺だけのものだ)
黒髪に再度キスしながら俊はゆっくり恋人の上に倒れ込んでいった。



あとがき

短けぇ〜!(笑)こんなの小説じゃねえ〜。小話だな・・・。
しかもあっま〜〜〜。俊がこんなことするかっての!(←自分につっこみ)
でもしてほしい〜〜。
妄想だけの世界です(笑)。

真壁くんも5コマ漫画の欄でチラッと言ってましたが、蘭世の髪ってピシーッとそろってるでしょ?
(結婚するまでだけど)
美容院に行くシーンもないし、でも伸びたり切ったりもしてないし、、、
こまめに手入れしてたんですかね〜。愚問?
ちなみにコミックスの10巻で、突然、お?俊は髪の毛切ったのか?と思うくらい、ちょっと髪型が変わってるところがあります。(また自分で切ったのか?)切ったとかいう台詞は出てこないし、髪切ってる場合じゃないシーンなんですけどね(^^;)気づかれてましたか?
普段より耳が出てるんですよ。耳に髪の毛をかけている感もありますが・・・。耳が出ててこれまたちょっとかっこいいんです。
これを気づいている方がいらっしゃればすっごくうれし〜〜〜〜〜♪