このSSは、「ときめきCelebrate」の夢菜さまよりkauranのバースディ記念にいただきました☆






秘密




                                 written by  夢菜




蘭世は気だるい身体を引きずりながらキッチンに立っていた。
朝日が舞い込むキッチンで朝食の準備にとりかかる。
早朝に出勤する近所のご主人もいるのか、外からは時々車が通る音が聞こえてくる。
真壁家の主人はまだ夢のなか。
起きてくるまでにきっちり朝食を作り終えている、主婦の鏡の蘭世だった。

ところが今日はからだの調子がいまいち。。。
(足に力が入らないよお・・・・)
キッチンに立って朝食を作る、その作業だけでも足がガクガクしてきそうだった。

(これって…昨日のアレのせいよね…)
思い当たる節はたったひとつ。
蘭世は昨夜の状況を思い返していた。

普段はベッドに入ってから愛し合うことがほとんどなのだが、昨日はいつもとちょっと違っていた。

蘭世が鏡台の前に座ってお肌の手入れを終えた頃、待ちくたびれた俊が蘭世の肌を求めてきた。
蘭世は鏡台の椅子からは降りたものの、そのまま床に膝たて姿勢で俊の愛撫を受ける格好となり、途中から足に力がはいらなくなった蘭世は、上肢を鏡台のいすに置いて身体をささえ、後半はほとんど俊に身体をあずける格好となっていた・・・・・・・。

案の上、今朝から足が立たない。
昨夜の状況がリアルに思い出され、包丁を持つ手もとっくに止まっている。
(うっ・・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁあああああっ/////)
昨夜の自分を思い出すと今さらながらに恥ずかしくなり、蘭世は真っ赤になった顔を両手で隠し、キッチンの床にしゃがみこんでしまう。
(うわぁぁぁぁあああ。わたしったら、わたしったらあ〜。でっでも、彼が急に…だったし、わたしも…なんか…。きゃーーーーーー!はずかしいっっ)
蘭世は一人照れまくりで床とにらめっこしていた。

「お前何やってんだ?」
「えっ?あっ!あなたっ!」
蘭世は慌てて立ち上がる・・・・・が、よろよろっとよろけてしまう。
「っと・・・。」
よろける蘭世の背中を俊の大きな腕が抱きとめた。
「あなた!?ありがと。・・・・・あれっ?あなたいつからいたの?」
「いつからって・・・・・。お前がうわぁぁぁぁあああああって夜のこと思い出してた時から。」
「えっ?ちょっ、やだっ、あなた聞いてたの??」
蘭世は驚いて俊の腕から離れ俊に向き直り、正面に立つ。
「聞いてたの?って、お前がいつからいたのかって聞くからだろ。」
「それとは関係ないでしょ!もうっ、恥ずかしいんだから!読まないでっていつも言ってるのに!」
蘭世は読まれたことが恥ずかしかったのか、眼にはうっすらと涙を浮かべ、怒って後ろを向いてしまう。
「悪かったって。もう読まねえよ。」
「そう言っていつも読んでるじゃない!」
(ほんとに恥ずかしいんだから!)
拗ねた蘭世は俊のほうを向こうとはしない。
俊は蘭世の両肩ににそっと手を置いた。
そして、その両腕をを蘭世の首の前に回していき、後ろから蘭世を抱きしめた。
蘭世の香が俊の鼻をくすぐる。
「お前だって俺の恥ずかしい部分知ってるじゃねえか。赤ん坊の頃、オムツも替えてくれたんだろ?」
「うっ、うん。そうだけど・・・・・」
「まっ、俺も色々知ってっけどな。」
「えっ?なっ、何??どういう意味?」
蘭世は急に俊の方へ振り向いた。
「教えて欲しいか?」
「うっ、うん。」
俊の眼には何かが隠されてるようにも見えたが、俊の言おうとすることの意味が良くわからなくて、蘭世は不安と好奇の眼で俊を見つめた。
俊は蘭世に優しく微笑むと、今度は向き合って蘭世を抱きしめた。
相手の顔がちゃんと見えるくらいの、少し二人の身体に空間が出来る程の距離を置き、俊は蘭世の背中に手を回す。
「お前さあ。」
言葉を発しながらも俊の右腕は蘭世の背中から徐々に下へとくだっていく。
その手はスカートの上を滑り降り、柔らかな双丘に触れそれを越えて大腿にまで達する。
そして今度は内側へと手を滑らせちょうど大腿と大腿の間となるところで手をとめた。
俊はそのままの状態で手を止め、蘭世を見つめる。
(そっ…んなところに手をおかれたら・・・・)
蘭世は徐々に身体が熱くなってくるとともに、照れに襲われながらも、俊に見つめられて眼をそらすこともできなくなっていた。
「お前って・・・・・ココにホクロがあるよな。」
「・・・・・・・・・・・・・えっ??」
俊の手が触れているところはちょうど、大腿の付け根の内側。
目を白黒させ驚く蘭世を見て、俊はくっくっと笑うと、「お前の秘密だよ。」と言ってニヤッと笑った。
「何ソレ?わたしの秘密って!わたしそんなとこにホクロなんてないもん!」
「ないってお前・・・・。なんなら一緒に確かめるか?」
「確かめるってそんな!・・・・・//////もうっ。恥ずかしい事いわないでよ。」
蘭世はまた顔を隠してそっぽを向いてしまう。
「まあ、俺は知ってから別に確かめなくてもいいけどな・・・・」
と言って俊は反対を向き、歩いてキッチンを出ていこうとする。
蘭世ははっとして、慌てて後ろから俊のトレーナーの袖を両手でがしっとつかみ、俊を引き止めた。
「ちょっっっ!まっって。なっ、どうしてそんなこと知ってるの?」
「どうしてって、見たから。」
「見たっていつ??」
「いつって・・・・夜のそういう時だよ。」
「でもっ・・・・いつも真っ暗に電気消してるでしょ?」

そう。蘭世達はいつも真っ暗に電気を消して愛し合っていた。
蘭世が恥ずかしがって消せ消せとうるさいからだ。
ベッドサイドの明かりすら蘭世はつけさせてくれなかった。

「まあ、消してるけどな。でも見ようと思えば電気なんかなくったっておれは見えるんだよ。」
「それってどういう意味?」
「だから魔力でそれくらい・・・・・」
「ひどいっ!!」

蘭世はまたまた床にしゃがみこんでしまう。
(見られてたなんて!見られてたなんて!見られてたなんてーーーーー!!
それってそれって、全部見られてたってことよね。もう、恥ずかしくて顔合わせられないよ〜。)

「そんな落ち込むなって。」
「誰のせいよっ!」
半泣き状態になった蘭世は俊の顔を見ようともせず自分の顔を覆ったままだ。
結婚しても純情乙女の蘭世は自分のすべてを愛する人に曝け出すことは恥ずかしくてならなかったのだ。
自力で立ち上がりそうにない蘭世をみて、俊も膝をついてしゃがみ込み、蘭世をもういちど抱きしめた。
細い肩が抱いた手のなかで小刻みに震えている。
(泣いてるのか・・・?)
少々悪ふざけがすぎたかと、俊も罪悪感を感じ始めた。
こうして抱きしめていても泣き止まない妻。
妻とはいえ、中身は少女のままの蘭世。
そんな蘭世の様子をみて、俊は罪悪感から次第に切ない感情が生まれてきた。
「そんなに嫌か?おれに見られるのが。」
「恥ずかしいのよ。」
そう答える蘭世に、俊はそっと目を閉じて蘭世をもう一度強く抱きしめた。
「おれが見たいっていってもか?」
蘭世を求める俊の言葉に、蘭世はやっと顔をを上げた。
自分を見つめてくれる俊の瞳。
俊の瞳には男の色気が漂っている。
「おれは、お前のすべてが知りたい。」

互いに引き寄せられ、二人は一つになった。
唇は二人の掛け橋となる。
互いの舌で、互いを感じる。
愛する人の熱を感じ、すべてを絡めとろうとする。

愛する二人。今度は光の元で愛し合った。





数時間後、
蘭世は気だるい身体をひきずりながら、今度はブランチの準備をはじめていた。
(また膝たて姿勢で愛しちゃったから、もう足がくだけそう・・・・。)
俊に魔力で下半身を治してもらう蘭世だった。






★夢菜さんからのコメント★


あの辺は(ほくろの辺り)蘭世は自分の身体の事だけどあんまりよくは知らないだろうけど、俊は蘭世の身体のことは隅から隅まで知ってるかなと・・・。
おまけに王子の俊にとっては自家発電能力なんて朝飯前だろうと・・・。
やっぱり鬼畜王子ラブです。
昔っからなんですが、王子になりきり型妄想の私は、好きな子をいじめる少年かの如く、蘭世いじめをして萌えてしまいます。といっても作中では全然いじめ切れてませんね。文章力が足らない・・・。
そういうトキどのへんから恥ずかしいか、もしくは恥ずかしくないかはやっぱ人それぞれのようですね・・・。もうこれ以上の発言は自主規制させていただきます。

★kauranより★


台風でずぶぬれになって帰ってきたところに、いつもお世話になってる夢菜様からのメールが・・・
何かな〜♪と思っていると、ぷ、ぷ、プレゼントSSが〜〜〜〜〜〜!!!
しかも、バースデープレゼントとな???
うっそ〜〜〜♪と踊り狂うkauran。

ああ、なんて素晴らしい日なんでしょう・・・(陶酔)

しかも、しかもこんな素晴らしい萌え萌えなお話をいただけるなんて・・・
サイコーに嬉しいです!!!
二人だけの秘密・・・興奮しまくり。
二人の愛を想像してしまった私をお許しくださいっ(笑)
それにしても王子ったら自家発電なんかしちゃってHだね〜。でもそんな鬼畜王子も好きよぉ(ぽっ)

十分伝わってきましてよ☆

夢菜さま、感謝感激です〜。ホントにありがとうございました〜♪




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