☆caution☆
       この作品は、若干ですが性的描写を含む内容になっております。
       嫌悪感を抱く恐れのある方はどうぞお逃げくださいませ。
       責任はもてません!












蘭世のとある思惑











実際、、、何をどうすればいいのか・・・

それは、正解というものを見つけられずに、未だにわからなかったりする。

経験豊富な周囲の友達になんとなーく探りを入れてみるものの、

いざとなると頭の中が真っ白になって・・・




*****     *****     *****





今日も彼はいつものように

左腕を私の肩にまわし、ぐっと引き寄せると

右手を私の左頬にそっと当て、そのままするすると髪の中に滑り込ませると

ゆっくり顔を近づけて、まずは上唇から、そして下唇へと順に自分の唇でなぞりながら堪能すると

一旦、名残惜しそうに唇を離した。



そして、私の瞳のずっと奥の方を覗き込むかのように視線を合わせると

もう一度目を細めながら、

今度はもう少し勢いを持たせて私の潤んだ唇を捉えると

何度か首の位置を左右に変えながら

時には激しく貪るように、そして時には軽く啄むように、

キスの嵐を私に降らせた。







いつもと同じ手順。

いつもと同じ息遣い。




何度か肌を重ねていくうちに、パターンがつかめるようになった。

最近では彼の動きに合わせていけるようにまでなった。

しかし、それは最初のうちだけで、あっという間に私の思考回路は止まってしまう。

彼の執拗なほどまでの愛撫が次第に深まっていくにつれて

そこからは無意識下のもとに、ただ本能と感覚だけのそれでいて充足感漂う甘美な世界が瞼の裏に映りだす。








今日こそは実行するぞ・・・







・・・・・・彼にキスマークをつける・・・・・・








心に決めていた。

友達に知恵を入れられた私は、それをどうしても試してみたくなったのだ。

実行するなら、今日・・・

そう心に決めて、一歩一歩足を踏みしめながらこの部屋にたどりついた。

どうやってつけようか・・・

でもやっぱりそういう雰囲気にならないと無理なんだよね・・・

考えてみるものの、そこにたどり着くまでに自分が仕掛けていかなければいけないのかと思うと

恥ずかしさで顔が熱く火照る。

かといって、いきなり「つけさせて」と言ったところで疑いの眼差しを向けられるだけだ。

やっぱり・・・・

ごくりと唾を飲み込んで・・・側から見ると欲にまみれた人間でしかないけど///・・・

勇気をふりしぼって・・・





*****     *****     *****





自分が考えていたよりは、スムーズに事が運んでいる。

タイミングよく?彼の欲が私の欲より先をいっていたようだ。

よしっと心でガッツポーズをした。

一瞬、んっ!?といった表情で彼の動きが止まる。

ぎくっ・・・

読まれちゃいけない・・・

こんな恥ずかしいことを・・・///

普段なら、もうすでに私の回路は止まっているはずだ。

でも、今日は頭の回転をフル稼働させて、

心はオフに・・・しかし頭は・・・

目を閉じながらも彼の動きを、そしてそのチャンスを探っていた。





だけど・・・

それは一瞬のうちに崩れ落ちてしまった。






今日こそは冷静でいるつもりだったのに、彼の舌が私の唇を割って中に入ってきて、

同時にブラウスの中にも暖かい人肌を感じるようになると、

堪えられずに吐息がこぼれる。






呼吸を乱しながらも、閉じていた瞳をゆっくり開くと、視界までもからみつく彼の視線に弄ばれるような気がして

恥じらいを隠せずにすぐに目をぎゅっと閉じる。



・・・目を開けて・・・俺を見ろ・・・



横向けた耳元でそう囁く彼の声は、低く深いところから響き、私のみぞおちの辺りをドクンと震わせた。

同時に心臓の鼓動が大きく鳴り響く。

もう一度瞳をそっと開くと、まるで愛しいものを全身で包むかのような彼の目がそこにある。

普段の鋭い眼差しは消え去り、ゆっくりと大きな手のひらで私の長い髪を撫でている。

その仕草だけで、私の中の奥の部分がじんわりと熱くなる。



彼は私の気持ちを読んでいるのかどうなのか、

いや、そんなことはこの状態では考えることも正直不可能なのだが・・・

私の徐々に熱くなっていく体にまるで少しずつ冷気を与えていくかのように、

一枚一枚覆っている布地を剥ぎ取っていく。

そして、最後の一枚も取り払われると、

彼の唇は私の首に・・・肩に・・・そして大きいとは決して言えない胸にとゆっくり移っていく。





無意識に彼の首に回していた手は、体中の力が抜けていくのに合わせて、はらはらと重力に任せて落ちていく。

そして、体全体も支えられなくなって後ろに倒れこみそうになるのを、彼は左腕でさっと一旦支えてから、

そのままゆっくりと覆いかぶさりながら私の体を横たえた。





彼が私の背中を指先で上下に往復させると、私の体はそれに反応してビクンとなる。

その瞬間に、彼は小さく震えた私の胸の突起をすばやく口に含んだ。

唇で舌で歯で・・・それを優しく愛撫すると私の体は弓のようにしなる。

畳と背中の間にできた空間を利用して、彼はもう一度背中をさする。

それを何度か繰り返されただけで、先ほどよりさらに熱を帯びた熱い部分は、しっとりと潤いを見せ始めていた。





吐息と一緒に、喉の奥から搾り出したような声が漏れる。



・・・もっと声出して・・・



先ほどと同じくらいの低さでしかし、先ほどよりは少し湿ったような声で彼がまた耳元で囁く。

彼の唇が私の耳にそして目にそして額にゆっくりと移動する。

激しく息を吐きながら、私は目をそっと開くと、目の前に、彼のじんわりとした汗が光る喉が見えた。

彼が息を呑むとその喉はごくんと動きを見せた。

その動きが妙に官能的で、私の心臓は一層大きく鳴った。





綺麗・・・・

光る汗が瞼の裏に焼きつく。

もう一度目を開けても、その光る喉がそこにある。

こんな角度から彼の喉や首や耳をじっくりと見たことはなかったかもしれない。

耳からつながる首の筋力、喉から顎へのシャープな角度・・・

それが自分とは違う異性のもつラインなんだと朦朧とした頭で理解した途端、

さらに今自分達がしている行為を改めて実感させられ、

しかし、その恥ずかしさが逆に快楽へと導き、全身の血が逆流するような錯覚に陥った。





私はそっとその喉に手を触れ、そしてそっと体を起こして口付けた。

そしてそのまま震える舌先でつつつッと顎に向かって滑めあげた。





彼は恐らく予想をしていなかったのだろう・・・。

ぶるっと体を震わせて、すこし驚いたような目で私を見た。

私もその視線に自分の視線を絡み合わせる。

たぶん5秒も経っていなかっただろうが、ずいぶん長い間見詰め合っていたような気がする。





私は心の高鳴りが治まらずに、もてあますこの衝動をなんとかしたくて

思わず彼の首に両腕をしなやかに巻きつけて、そのまま自分の体をぴったりと彼の体に寄せ付けた。





そして・・・

もう一度彼の左側の首に口付けた。





今から思えば、故意的だったのか偶然だったのかそれはよくわからない。

チャンスと言えばチャンスだった。

だが、実際はそこまで考えを到達させられてはいなかった。

ただ、心からそうしてみたかった・・・

いや、無意識にそうせざるを得ないような本能的な衝動にかられたとでもいうべきかもしれない。

それほど、あちらこちらと私の狭い視界の中を動き回るその光る喉が

私を感奮させたというか、愛おしかったというか・・・

今までずっと受身であった自分の中に、こんな衝動をおこすほどの欲望が潜んでいたことに気づくことで

さらに淫靡な気分になる。





舌をチロチロと小刻みに動かしてみる。

そしてそのまま吸い付いてみた。

吸っては離し・・・そしてまた吸っては離し・・・

その自分の行為が妙に卑猥に感じられてそれがまた自分自身を興奮させ、止まらなくなる。





激しいとは言えないながらも、私からの珍しい攻めに、彼も気をよくしたのか、興奮させたのか、

彼も同じように吐息をもらしながら私の首に肩にと小さな跡をいくつも残した。





体を離して彼の目を見つめ、そして首もとに視線を移す。

小さなそして歪な形の楕円形の跡が、彼の首に小さいながらも主張して残っていた。





「・・・跡・・・ついちゃった・・・」

私はぺろっと舌を出しながら微笑むと、彼は「・・・ったく・・・」と小さく息をもらしながら

・・・でも、お前の方がいっぱいついてるぞ・・・といってフッと小意地悪そうに笑った。





もう一度、唇を重ねて、そして、私の完全に潤った部分に彼の手が添えられると、

無意識であったものの、今日の目標をやり遂げることのできた私は、

もう何も思い残すことなく、彼の腕の中に全てを投じて体を委ねた。





二人の息遣いが重なり合いながら・・・

二人の動きがリズムを帯びながら・・・

そして無機質なそして静まりかえった部屋の中で、粘着性が伺える水音ともう抑えられなくなった喘ぎ声だけを聞きながら・・・





甘美な夜の底に二人して堕ちていった・・・・・





*****     *****     *****





乱れていた息がようやく整ってきたので、

私はそっと瞳を開いた。

仰向けのまま目を閉じて、私の頭を腕まくら状態で支えている彼が隣にいる。

彼の首にさきほどつけたキスマークが未だ消える気配なく残っている。

私は無言で、その跡に触れた。

彼がそれに気づいて目を開けてこちらを見た。

「・・・残ってる・・・」

「・・・どうせすぐ消えるよ・・・」

いつになく優しい口調で彼が笑う。

「せっかくつけたのに・・・消すの・・・?」

私はいつになく強気な目つきで彼を睨んだ。

「・・・なんでつけた?」

彼は私の方に体を向けて私を両腕で包み、胸の中に抱え込みながらたずねる。

「・・・・・・証・・・かな?真壁くんが私だけのものっていう・・・」

自分で言ったくせに照れてしまって、私は顔をあげれなくなってそのまま彼の胸に顔をうずめた。

「・・・・・じゃぁ・・・」

しばらくだまっていた彼が言葉を発した。

「え?」

「・・・明日までは置いとく・・・でもその代わり明日は部活休みにする・・・」

「休み?」

「タンクトップなんかで隠せねえだろ・・・」

彼はそういって私の体をぎゅっと強く抱きしめた。

彼の心臓の音がはっきりと聞こえてくる。

(・・・俊・・・)

心の中でそう呼ぶ。彼が愛おしくてたまらない。

好きという気持ちが、もっともっと深い感情に変わっていくのがわかる。

もっともっといろんなことをしてあげたい・・・

私は顔をあげて彼を見つめた。

彼も私を見ながら微笑んでいる。

「明日、休みにするんだったら・・・もうちょっとつけちゃおっかな・・・?」

いつの間にかかけられていた毛布から肩と腕を少しだして彼の首に手を回すと、

私はにっこりと微笑んで、もう一度、彼の唇に口付けた。








<END>







あとがき


やってしまった・・・ついにやってしまいました・・・。いろんな意味で・・・^^;
これはやっぱり世間で言うウラ・・・なのかしら・・・
いや、たぶん違うだろうということで。プチウラ・・・?^^;
ご、ごめんなさい・・・

さとくーさまのリクは決してこんなものではなかったのです・・・。

リク内容は

「キスマーク」

でございました。

行為そのものというより、
・キスマークをつける蘭世ちゃん、の気持。とか
・つけられちゃった、王子の心境とか
ということで頂いていたのですが、
この行為以外にどうやってつけようかと悩みつつ、思い浮かばず・・・
このような結果になってしまったというわけなのです・・・。
きゃーーーー!ほんとにごめんなさいです。
しかも、私、ここまであからさまに書くのが正直初めてでして・・・こんな稚拙文、世に出していいものかどうかも
わからないんですが・・・
書いたものはしょうがないということで、えいっ!と勢いでデビューー♪
さすがに最後まではkauは書けずに中途半端ではぐらかせてますが、その辺はうぅ・・・ご了承ください。
(こっぱずかしくなってしまったんだよぉ・・・)
あとは想像にお任せするとして・・・^^;

しかも、私、蘭世の語りの文ってあんまり書いたことがないんですよね。
もしかしたら初に近いかも・・・
なのに初めて語らせた内容がコレってどうよ(笑)
ごめんね。蘭世ちゃま・・・ヒロインなのにこの扱い・・・。



さとくーさま、リクエストありがとうございました。
といってもせっかくのリク、こんな形になってしまいましたが・・・
kauは初めてということもあって楽しんで取り組んでいたのですが・・・(オイ)
ご笑納いただければ幸いですぅ・・・。
あぁ・・・逃げられちゃうかも・・・しくしく







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