『君との距離、あと何mm?』


  おまけ  ver.R





   本編の蘭世サイドの気持ち
   ちょっとですが・・・
















「びっくりした・・・」

あんな展開になるなんて思ってなかったから・・・



未だに心臓がバクバクと動いてそのまま飛び出してきそうなくらい。



蘭世は呼吸を整えるように大きく息を吸い込むと、そのままゆっくりと息を吐いた。





私のことをどう想っているのか・・・

聞いたのは私のほう。

そんなこと聞くつもりはなかったけど、想いが溢れだして

聞かずにはいられなかった。



言葉にしなくても真壁くんには届く。

私の気持ちをどのように捉えてくれたのかはわからない。

そしてこの胸元に光るペンダントには彼のどんな気持ちが込められていたのかも。



スローモーションのように動く彼の姿を思い出すと

止まらない想いが涙になってあふれてしまう。





彼は、私に・・・

キスしようとしたのだろうか・・・?





あまりにも激しく鼓動が速く打つものだから、

軽いめまいさえ覚えて、

今の出来事が夢だったのかもしれないと思うくらい

蘭世は動揺していた。



どうせなら、ご飯を呼ぶ声なんかに立ち止まらないで

勢いのまま奪ってほしかった。

そしたらもっと、

私の心はしっかりとその想いを受け止められていたかもしれない。



よくよく考えたら、彼の気持ちをこうもはっきりと垣間見たのはおそらく初めてではないか。



追いかけて、すり抜けられて・・・そんなことを繰り返してきた時代。

二人の関係がやっと少し変わってきたのかな・・・



嬉しい・・・



言葉にすると簡単だ。

だけどそんな言葉だけで今の気持ちをどれほど語れるだろうか。



熱い・・・



息をもう一つ吐いて、ペンダントを握りしめる。

想いが溢れてくるのを必死で抑える。



「真壁くん・・・・・」



名前をつぶやくだけで静まりかけた鼓動がまたもや大きく打ち始める。

そんなとき、階下から椎羅の声が響く。



「蘭世〜?何やってるの〜?早くおりてきなさーい!」

「は、はーい」

降りて行けば俊がいる。

恥ずかしいけど、このまま顔を合わせないわけにもいかず・・・

「よりによって、ごはん?」

はぁ・・・体中の空気をすべて入れ替えるかのように蘭世は大きく深呼吸をする。

そしてパチパチと両手でほほを叩き、

ひとつねり。ふたつねり・・・。



「よし、行くぞ!」

ゴクリと息をのみこんで、蘭世は未だ治まることのない逸る鼓動を左手で抑えながらドアを開けた。







おまけのあとがき




期間中にUPしようかどうか迷ってたんですが
UPするほどの出来でもないしなぁとそのままにしておりました。
結局あまり修正もせずUPしますが・・・。

蘭世ちゃんの気持ちってホントに書きにくいんですよね・・・。
何故だろう。
難しいです・・・












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